歌麿、写楽を売り出した大編集者
2025年大河ドラマ『べらぼう』の主人公は、蔦屋重三郎。
花の吉原振り出しに
才人鬼才をより集め
幕府に財産取られても
歌麿写楽をプロデュース
この蔦重こそ、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した江戸最大のプロデューサーだった。その華麗な人脈は太田南畝、山東京伝、恋川春町、酒井抱一、市川團十郎、葛飾北斎、曲亭馬琴、十返舎一九とまさに江戸文化そのもの。
江戸文化とは何か、文化を創り出すとはどういうことか。豊富な図版を入口に、人を編集し、文化を織り上げた、蔦重の「たくらみ」に迫る。
田中優子(1952年生まれ、横浜市出身)
日本を代表する江戸文化研究者であり、法政大学第19代総長も務めた文学者。法政大学大学院で日本文学を専攻し、江戸時代の文学・生活文化・美術・音曲・経済、さらにアジアとの交流まで幅広く研究を展開。著書『江戸の想像力』『未来のための江戸学』『江戸百夢』『カムイ伝講義』などで高い評価を受け、サントリー学芸賞や芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。江戸を単なる歴史としてではなく、現代社会に活かせる思想や価値観を持つものとして提示している点が特色。教育者としても長年学生を導き、学外でもテレビ番組や新聞などを通じて幅広く発信を続け、文化人として社会的影響力を持っている。
出版社 : 文藝春秋
発売日 : 2024/10/18
新書 : 256ページ 日本語
ISBN : 978-4166614721
サイズ : 新書版