ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ……。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。
だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。
川上 弘美(かわかみ ひろみ、1958年生まれ)
日本の小説家で、独自の文体と幻想的かつ繊細な世界観で知られる。東京女子大学卒業後、中学校教員を経て執筆活動を始め、1996年『蛇を踏む』で芥川賞を受賞し注目を集めた。以降、『センセイの鞄』『真鶴』『七夜物語』など、日常と非日常が交錯する作品を多数発表。人間関係の機微や孤独、愛と喪失を静かな筆致で描き、現代文学に独特の位置を占める。作品は幻想的でありながら親密さを感じさせ、読者に深い余韻を残す。国内外で翻訳され高く評価されており、現代日本文学を代表する作家の一人とされる。
出版社:新潮社
発売日 : 2006年7月28日
文庫 : 288ページ 日本語
ISBN:9784101292342
サイズ : 文庫版





