早くに父を亡くし、母とも離れ離れになった、兄と弟。アンパンマンの作者やなせたかしが弟・千尋との思い出を綴った幼物語。アンパンマンの作者、やなせたかしの原点がここにある。若くして海に散った弟を詩と絵で綴った、18編の絶唱。未発表エッセイ収録。
やなせたかし(本名・柳瀬嵩、1919-2013)
日本を代表する漫画家・絵本作家・詩人・作詞家である。高知県出身。戦後は漫画や詩、広告デザインなど幅広く活動し、1973年に絵本『アンパンマン』を刊行。後にテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』として大人気となり、子どもたちに勇気とやさしさを届ける国民的作品となった。代表作の主題歌「アンパンマンのマーチ」の作詞も自ら手がけ、「愛と正義」をテーマに掲げたメッセージは世代を超えて愛されている。
絵本のほか、詩集やエッセイ、童話なども多数発表し、その優しい語り口と哲学的な視点で多くの読者を魅了した。晩年まで創作意欲を失わず、子どもへの深い愛情と平和への願いを作品に託し続けた。日本の児童文化に多大な功績を残した。






